一円入札と不当廉売


林野庁の衛星携帯電話の入札に際して、KDDIソフトバンクテレコムが、いずれも一円入札をしました。
公正取引委員会は、月額基本料や通信料で、同社らと随意契約をし利益が上がるから、独占禁止法違反の不当廉売には該当しないと、判断したようです。
しかし、この理屈は本末転倒ではないか、と思います。これでは、国民の利益が不当に害される恐れすらあります。
今までも、大企業が一円入札をして、独占禁止法上問題となったことがありました。
独占禁止法2条9項3号は、継続性を要件としていますから、一発勝負の入札では問題とならないでしょう。
そこで、不公正な取引方法の6号が問題になってきます。一円入札は、他の中小企業等では行うことが難しい、アンフェアな入札方法ではないかとも思えます。
いずれにしても今回の入札では公正な競争原理が機能していない、とも思われます。
林野庁の入札の制度設計自体が釈然としない面は、否めないと考えられます。