別居中の生活費の支払−婚費(こんぴ)


別居した夫婦の間では、一般的には収入のある夫、子を抱え収入のない妻という図式が多くあります。そのような別居中の夫から妻への生活費の支払を「婚姻費用の分担」、略して婚費(こんぴ)の分担と言います。
この婚費の分担については、昔は七・五・三と言われていた時代もあったようです。つまり、子の成長に応じて、月3万円から月5万円→月7万円という位に上っていくものと。
ところが、平成15年に「養育費・婚姻費用算定表」が公になって以来、子の年令や人数を基準として、支払う側の年収をたて軸に、支払を受ける側の年収を横軸にとって、この算定表で婚費の額が決まるのが実務となってきています。
昔の七五三とくらべればこの算定表の方がずっと良いのですが、すべてのケースで万能とも言えないようです。
特に子が中学、高校と大学受験をひかえた場合においては、私立学校に行く入学金や授業料、そして塾や家庭教師の講習料等をどこ迄請求できるかは、決してこの算定表によっては考慮に入れられていない要素ではないかと考えられます。夫婦の社会的地位や学歴、職業、子の将来の志望や現実の受験状況を考えれば、相当程度の費用の加算はあって然るべき事案も多いのではないでしょうか。