小沢氏―強制起訴


 小沢一郎氏が政治資金規正法違反(収支報告書への虚偽記載)で強制起訴されました。
 東京地検特捜部が2度不起訴としたものを、検察審査会において2度起訴議決をし、指定弁護士が検察官役となり起訴しました。
 この強制起訴の制度は、検察官の起訴独占主義に対する例外として民意を反映させるものとして、2009年の改正検察審査会法により導入されました。
 検察官が起訴する一般の刑事事件の有罪率は99.9%位と思われますが、検察官が嫌疑不十分として不起訴裁定した本件の有罪の可能性はかなり低くなるのかもしれません。
 私達弁護士が刑事弁護を行っている公判では、実務上推定有罪の運用を感じることがありますが、本件では刑事訴訟の原則である推定無罪が実効性ももって審理されることとなるのでしょうか。
 物証の乏しい本件のポイントは、小沢氏に虚偽記載の報告をしその了承を得たとされる石川氏の供述の信用性とされており、石川氏の裁判における録音の証拠採用ともあいまって、今後の推移が注目されます。