マジックアワー

 写真家吉村和敏氏の写真集MAGIC HOURを見ていると、その儚く美しい時の流れにひき込まれます。
 この写真を見ていると、ふと大学生のとき訪れたサンモリッツの小さな美術館の何枚かの絵画を想い出します。それは、たしかジョヴァンニ・セガンティーニの作品で、アルプスの雪の夕陽の中で人々が静かに佇んでいました。
 マジックアワーのとらえ方も人によって随分違ってくるものです。
 しかし、様々な人々がこれに心奪われるのは、何か共通の感慨を抱く面があるのではないかと、あらためて思いました。
 そして、いつか再びサンモリッツのあの小さな美術館を訪れることができたら、と思いました。