越中銘菓「薄氷」(うすごうり)―斬新な幾何学の形

 「薄氷」は、私の郷里の富山県小矢部市にある「御菓子司、白梅軒五郎丸屋」の創製にかかわる和菓子です。
 その形は、一つ一つ斬新な幾何学の形状をなしているようでもあり、実に不思議な和菓子です。
 「薄氷」は、今から200数十年前、宝歴年間に五郎丸屋八左工門により作られた和菓子であり、加賀藩主前田斎広も幕府に貢上したとされています。
 徳島産の和三盆糖を使用した「う寿氷」は、茶道の折にもよく使用され、東京の方々にも好評と聞き及んでいます。