はだしのゲンと表現の自由


中沢啓治氏著の「はだしのゲン」が、松江市教育委員会によって、昨年12月から、描写が過激だとして、市内の市立の全小中学校で教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を決め、児童達も教師の許可なく貸し出しを受けることが禁止されました。
 校長会は、「はだしのゲン」の中で首を切ったり乱暴するシーンが小中学生には過激と判断して閉架措置を採ったとしています。
 しかし、「はだしのゲン」は誕生から既に40年が経ち、世界20か国に翻訳されており、著者中沢啓治氏の実体験に基づき戦争や原爆の悲惨さや愚かさを表現したものとして多くの人々に受け入れられているものです。
 確かに見ていて辛い場面もありますが、やはりその閲覧や貸し出しを公の機関が制限することは、表現の自由を侵害する不安ないし疑義を感ぜざるを得ないのではないでしょうか。