企業法務

エディオン―優越的地位の濫用で、課徴金40億円へ

公正取引委員会は、家電量販大手のエディオンに対し、納入業者に無償で従業員の派遣を継続的に要請していたとして、優越的地位の濫用として課徴金約40億円の納付命令を出す事前通知をした旨が報道されました。 平成21年改正独禁法により、優越的地位の濫用に…

自炊代行業―差し止め訴訟

書籍等を裁断してスキャナを使用してデジタル化の代行を業として行うことは、著作権法上の複製権の侵害に該当するとして、小説家らが代行業者に対して、自炊(じすい)代行業の差し止め訴訟を東京地裁に提起した旨の報道がなされました。 自炊行為自体は、著…

ウィニ−開発者―最高裁で無罪確定

ファイル間の共有ソフトである「ウィニ−」の開発者が、著作権法違反のほう助罪で立件されていた刑事事件で、最高裁判所は、第ニ審通り、検察官の上告を棄却し、無罪が確定することとなりました。 本件については、第一審の京都地裁が罰金150万円の有罪とし、…

LPガス機器カルテル―課徴金、3社に8億円余

公正取引委員会は、12月20日、LPガスボンベ機器の価格カルテルとして、メーカー桂精機製作所、伊藤工機、富士工器の3社に、計8億7521万円の課徴金納付と排除措置命令を出しました。 概略は、事前通知通りのようであり、事前通知後速やかに正式な命令が出たこ…

メルマガへのコメント―有難うございます。

当事務所では、約10年前から「御器谷法律事務所メールマガジン」をマンスリーで発行しています。 1ヶ月毎に更新した法律項目や事務所のトピックス、独占禁止法トピックス、ミキログ、事務局だより等の概要をお知らせいたしております。 今般、「特別受益」や…

「独禁法と私」―その1、慶應義塾大学時代

1.富山県西砺波郡戸出(といで)で生まれ育った私は、砺波高校を卒業する18才まで戸出で過ごし、その年の昭和45年に慶應義塾大学法学部法律学科に入学しました。 戸出(現在は高岡市戸出)や砺波には、当時予備校等もなく牧歌的な学生生活を送っており、弁…

新日鉄住金―公取委、合併を早期承認

公正取引委員は、新日本製鉄と住友金属工業との合併を、一部条件付にて早期に承認しました。 今年7月に公取委が合併等の新指針を発表してから初の判断です。 各取引分野別にシェアを出し、その上で「有力な競争者の存在」、「輸入増」、「買い手圧力」、「一…

日本トイザらス―優越的地位の濫用で、課徴金3億6908万円

公正取引委員会は、おもちゃ販売最大手の日本トイザらスに対し、取引上の優位な立場を利用し、納入業者であるメーカーや卸売業者に対して、在庫整理等の名目で取引額を不当に減額し、又、在庫品の一部を一方的に返品したとして、優越的地位の濫用として上記…

福島県民の3/4に賠償

1.原子力損害賠償紛争審査会の指針 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は、平成23年12月6日付にて、福島県民の3/4にあたる約150万人に対して、賠償の新たな指針を示しました。 この賠償額だけでも、総額約2,160億円となります。 2.具…

高知県土木建設談合―公取委が立入り検査

公正取引委員会は、国と高知県が発注する土木・港湾等の公共工事の入札に関して、高知県の中小土木建設会社30数社が談合をくり返していた疑いで、各社と高知県建設業協会に、立入り検査に入りました。 各社は、10年程前から談合を繰り返していたとの指摘もあ…

大企業―社外取締役を義務化へか

政府、民主党は、先月25日、大企業には社外取締の選任を義務付ける方針である、と報道されました。 オリンパスの損失隠し等で企業のコーポレート・ガバナンスが問題とされている中で、法制審議会が会社法改正案を提出することも報道されています。 現在の会…

大手出版取次会社―出版社への返品入帳の要請は、優越的地位の濫用の恐れ

公正取引委員会は、大手出版取次会社が、出版社に対し、東日本大震災で被災した書店の書籍につき、返品入帳扱いとして、その損害額を負担するよう要請したことを、優越的地位の濫用の恐れがあるとして、その撤回を指導しました。 これを受けて、(社)日本出版…

メルマガ―10年へ

「御器谷法律事務所メールマガジン」を発行してこの12月で第116号となります。 月1回のマンスリーで発行していますので、間もなく10年を迎えることとなります。 当事務所のメルマガは、1ヶ月に更新した法律項目、当事務所のトピックス、独禁法トピックス、ミ…

LPガス機器カルテル―3社に課徴金8億円へ

公正取引委員会は、LPガス機器の価格カルテル容疑にて、メーカーの伊藤工機(東大阪市)、桂精機製作所(横浜市)、富士工器(名古屋市)の3社に課徴金計約8億円の納付命令と排除措置命令を出す旨、事前通知をしました。 なお、矢崎総業(東京都港区)は、公取委の昨…

アメリカン航空―チャプター・イレブン申請へ

アメリカの航空業界でシェア3位のアメリカン航空が、11月29日にニューヨークの裁判所に対して、アメリカ連邦倒産法第11章に基づく申請をした旨が報道されました。 このチャプタ−11に基づく申請は、日本で言えば民事再生法に基づく申請と基本的には似ていると…

グリー、KDDI―DeNAに10.5億円賠償請求

携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のグリーとKDDIは、モバゲーを運営するDeNAに対し、競争者への取引妨害を理由とする独占禁止法違反による逸失利益計10億5,000万円の賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起しました。 本件については、…

セブンイレブンに対して賠償判決

セブンイレブンの元加盟店が、値下げ販売を不当に制限されたとして、セブン−イレブン・ジャパンに対してその損害賠償を求めていた訴訟で、福岡地方裁判所は、平成23年9月15日、請求の一部である約220万円につき、これを認容する判決を下しました。 …

「慶應法学」−「もう一つの独占禁止法」

慶應義塾のロースクールが発行している「慶應法学」第20号に、弁護士御器谷と弁護士福田が共同で執筆した「もう一つの独占禁止法−独禁法に基づく差止決定−」が掲載されました。 独禁法に基づく差止請求が仮処分申立事件で初めて認容された事例を中心として…

東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針

こんにちは。私は、御器谷法律事務所で実務研修をさせて頂いております、慶應義塾大学のロースクール生です(先日の方とは別人です)。毎日の楽しみは、先生方と頂くランチです。 ここで、平成23年8月5日に発表された「東京電力(株)福島第一、第二原子力…

「コンメンタールNTT法」

慶應義塾大学産業研究所の石岡克俊先生の編著になる「コンメンタールNTT法」(三省堂、8月20日発行)を、先生より御恵贈頂きました。 当独占禁止法のホームページにおいても「NTT法の概要」として極く簡単に記載していますが、NTT法は、その条文を読んだだけ…

日立、三菱重工の統合と独禁法

総合電機メーカーの日立製作所と三菱グループ中核企業の一つ三菱重工が2013年の経営統合に向けて協議に入ることで基本合意に達した旨が報道されました。 原発事故や新興グローバル市場の開拓等が背景にあるようですが、いくつかの問題点を感じます。 先ず、…

茨城県入札談合事件−官製談合として茨城県に改善措置要求

公正取引委員会は茨城県が発注した土木工事や舗装工事につき、入札談合があったとして、独占禁止法第3条違反の不当な取引制限の成立を認定し、入札業者63社に対して排除措置命令を出し、さらに50社に対して総額約3億円の課徴金を課しました。 さらにこ…

原子力損害賠償支援機構法が、8月3日に成立

東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる損害賠償を確実に進めるため原子力損害賠償支援機構の設立を中心とした原子力損害賠償支援機構法が8月3日に成立しました。 さらに8月5日には原子力損害賠償紛争審査会において、損害賠償についての中間指針が策定さ…

原発賠償支援法‐8月成立へ

原子力損害賠償支援機構の設立を中心とした原発賠償支援法案が8月上旬に成立する見通しが報道されました。 今般の東電福島第一原子力発電所の事故の状況を見ていると、現在の原子力損害賠償法の電力会社の無過失、無制限の賠償責任が果たして実効性を有する…

VVFケーブル価格カルテル-62億円の課徴金

業務用の屋内配線用電線(VVFケーブル)の販売につき、価格カルテルを認定し、公正取引委員会は、矢崎総業、富士電線工業、住電日立ケーブル、古河エレコム等9社に、計62億円余の課徴金納付命令を出しました。 本件も、昭和電線ケーブルシステム等がリーニエ…

借家の更新料は有効‐最高裁、初判決

最高裁判所は、かねてより下級審で争いのあった借家の更新料について、高額すぎる等特段の事情がない限り、更新料の支払条項は有効である、との初の判決を出しました。 借家の更新料は、地方によってその支払の有無が大きく分かれます。東京では更新料の支払…

産業ガス・カルテル―大手4社に、課徴金141億円

[ 産業ガスの販売に関する価格カルテルの容疑で、公正取引委員会は、大陽日酸に51億円、日本エア・リキードに48億円、エア・ウォーターに36億円、岩谷産業に4億円、計約141億円の課徴金納付命令と排除措置命令を出しました。 公取委は昨年1月に立入り検査に…

「慶應法学」―「もう一つの独占禁止法」

慶應義塾大学法科大学院が発行する「慶應法学」に弁護士御器谷と弁護士福田が論文「もう一つの独占禁止法」を執筆することになりました。 独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を主な規制対象とする取締法規ないし行政法規とされていま…

原子力損害賠償紛争審査会

文部科学省旧文部省庁舎にて、原子力損害賠償法に基づく原子力損害賠償紛争審査会が週一回のペースで開催されています。 今回の審査会では、避難住民の現状と東電による仮払いの方針の報告の後、損害賠償の自主的な解決に資するための「一次指針作成に向けた…

アディダスジャパン−公取委が立ち入り検査

リーボックのイージートーンの販売について、再販売価格を拘束したとの容疑で、公正取引委員は、アディダスジャパンの本社等に立入り検査に入りました。