遺産分割調停−遺産の評価


遺産分割調停の中で、先ず第一に遺産の範囲が確定すると、次に出てくる問題は、その遺産をどのように評価するかという問題です。
特に遺産の中に土地があると、その土地をいつ、どのように評価するかが問題となってきます。
判例上は、遺産を分割するその時点において、その土地の時価を算出して、遺産分割を進めることになってきます。
ところが、土地については「一物四価」と言われることがあります。
つまり、一つの土地については、実勢価格(時価)、公示価格、路線価、固定資産税評価額という、四つの価格があるとされています。
遺産分割調停の実務をみていると、土地の時価の算出にあたっては、大手不動産会社の査定書がよく使われています。
調停の段階では、費用のかかる不動産鑑定は余り使われていないとも言えます。
勿論調停においては、相続人全員が同意すれば、土地については路線価で算出している例も見受けるところではあります。