裁判員裁判−スタート


裁判員裁判が、8月3日、東京地方裁判所でスタートしました。
事件は、今年5月に足立区で隣人の整体師の女性をナイフで刺殺した殺人事件。被告人は、事件を自白しており、量刑が主たる論点となりそうです。
選ばれた裁判員は、女性5名、男性1名。初日は、起訴状朗読→罪状を認め→検察官と弁護人双方の冒頭陳述→1人目の証人尋問と進んだようです。
私は、海外に出張や旅行で行くと、必ずその海外の裁判所の法廷を傍聴するようにしています。ニューヨークやワシントンDC の立派な法廷、バンクーバーの庶民的な法廷、ミラノの古い法廷、マドリッドの法廷、最近も行ったシアトルの近代的な法廷等々。
そして、今も鮮烈に想い出されるのは、ニューヨークのマンハッタン島のUSコートハウスでの審理です。破産法に関する解釈を、双方の弁護士が陪審員に分かりやすいように資料を示しつつ懇切丁寧に説明し、陪審員はその説明を真剣に聞いていました。その弁護士の説明の丁寧さと、陪審員がこれを理解しようとしている姿に非常な感銘を受けました。
日本で本日始まった裁判員裁判、これからは事実に争いのある否認事件や、被告人の責任能力が問題となる事件等、様々な困難な事件が出てくるものと思われます。
しかし、裁判所・弁護士・検察官が一般の方にも分かりやすい訴訟活動を工夫し、これに応える裁判員の真摯な取り組みがある限り、日本でも裁判員制度は必ずや国民のための制度として成功するものであると、確信します。