研修医、薬剤師の責任


 虎の門病院で6年前、入院中の患者に肺炎の薬を誤って5倍投与して患者が亡くなった事案につき、東京地方裁判所で判決が下されました。
 判決は、薬を投与した研修医が薬品集のページを間違って規定の量の5倍の投薬をしたことが死亡の原因と認定し、この研修医と病院の法的損害賠償責任を認め、2,300万円の慰謝料等の支払を命じました。
 また、薬剤師についても、劇薬指定の医薬品について5倍もの処方箋について医師への照会義務を認め、過失責任を認定しました。
 医療訴訟を手掛けていると、研修医やその指導医の法的責任が問題となる事例を取り扱うことがあります。また、投薬をめぐる問題で、かつて患者側代理人として薬剤師の法的責任を追及し、示談解決したこともありました。
 患者としては、治療中医師や薬剤師の方々にすべてをおまかせしているだけに、その方々の基本的ミスは思いもよらないことであり、辛い結果となってしまいます。