高浜虚子、俳句の作りよう


 高浜虚子著の「俳句の作りよう」(角川ソフィア文庫)を読みました。同書は、大正3年に刊行されたものですが、今も俳句を作るバイブルの如き著書であり、一般の人々向けに分かりやすく作句の手ほどきを説いています。
 同書のポイントを記載してみますと、概略次の通りとなります。
1、まず、17文字を並べること。
  上5字、中7字、下5字と、並べること。
  季題、切字を使ってみること。
2、配合法によること。
  ある材料を他の材料との間に意味を見出すこと。
3、じっと眺め入ること。
  いわゆる虚子の客観写生を指すものと思われます。その奥に主観に迫るものが見えてくる。
4、じっと案じ入ること。
  「じっと眺め入る」ことが、やがて「じっと案じ入る」ことになること。
  深く、人生に対する心持を土台にする。
5、花鳥諷詠。
  これは、本書には出てきません。
  しかし、虚子の花鳥風月は、人をも含むとされています。
6、古い句を読むこと。新しい句を作ること。
  新しい句を作ることは、ぜひとも古い句、先進の人の句を研究しなければならない。
  背景のある句、シットリと底の方から味が滲み出してくるごとく。