成年被後見人に選挙権


 公職選挙法は、従前、成年後見が裁判所で宣告されると被後見人は選挙権を失う旨が規定されていました。
 しかし、成年後見制度は主に財産管理能力の乏しい被後見人を保護する制度であり、選挙権とは異質のものでした。
 今年3月には、東京地方裁判所において前記公職選挙法の規定が憲法違反との判断が示され、これに対して国は控訴していました。
 その後5月には公職選挙法が改正され、被後見人の選挙権が復活し、今回の参議院議員選挙から投票が可能となりました。
 そこで、7月17日、18日の裁判で、国が被後見人の選挙権を認め、原告側が損害賠償を取り下げる旨の和解が成立することとなりました。
 国としては、公職選挙法の改正の時点で和解すべきであったものとも考えられます。