芭蕉、夢の句


 芭蕉の句を読んでいると、夢という言葉が、次の通りいくつもの俳句に詠まれています。
1、あすは粽(ちまき)難波の枯葉夢なれや
2、夢よりも現(うつつ)の鷹ぞ頼母しき
3、蛸壺やはかなき夢を夏の月
4、夏草や兵どもが夢の跡
5、君やてふ我や荘子が夢心
6、旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
 夢の使い方が、実に絶妙な味わいを句に与えています。各句によって夢の意味合いが微妙に相違する感もします。