抗がん剤イレッサ訴訟−和解を勧告

 肺がんの治療薬として使用されたイレッサ。その副作用により間質性肺炎を発症し、800人以上が死亡したとされています。
 遺族と患者15人が、国と輸入販売元であるアストラゼネカを被告として損害賠償請求訴訟を2004年に提起しました。その訴訟につき、裁判所から和解の勧告がありました。
 抗がん剤の副作用をめぐる国と製薬会社に対する訴訟だけに極めて難しい訴訟であると思われます。しかし、提訴から6年目の和解勧告は、被害の早期解決や再発防止の観点からは遅すぎるとの憾もあります。
 そして、夢の新薬と期待した患者の気持ちを考えると、今からでも国や製薬会社の誠意ある対応が望まれます。
 国家賠償訴訟や医療訴訟を手掛ける弁護士として、イレッサ訴訟の和解の進行を慎重に見守りたいと考えます。
 なお、当ホームページの「薬の副作用」もご参照願えればと存じます。