はだしのゲンと表現の自由
中沢啓治氏著の「はだしのゲン」が、松江市教育委員会によって、昨年12月から、描写が過激だとして、市内の市立の全小中学校で教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を決め、児童達も教師の許可なく貸し出しを受けることが禁止されました。
校長会は、「はだしのゲン」の中で首を切ったり乱暴するシーンが小中学生には過激と判断して閉架措置を採ったとしています。
しかし、「はだしのゲン」は誕生から既に40年が経ち、世界20か国に翻訳されており、著者中沢啓治氏の実体験に基づき戦争や原爆の悲惨さや愚かさを表現したものとして多くの人々に受け入れられているものです。
確かに見ていて辛い場面もありますが、やはりその閲覧や貸し出しを公の機関が制限することは、表現の自由を侵害する不安ないし疑義を感ぜざるを得ないのではないでしょうか。
軽井沢、手打ち蕎麦東間
軽井沢のプリンス通りから少し入ったところに手打ち蕎麦の東間(とうま)があります。
蕎麦は、細めで腰のあるつるっとした食感があり、冷やして大変美味しく食することができます。
天ぷら蕎麦の野菜天ぷらは、地元でとれた朝摘みの茄子、南瓜、舞茸、人参等で新鮮です。
蕎麦がくるまでは、出汁巻玉子やごぼうの山盛りの天ぷらもあり、美味しく戴けます。
拙句を、一句。
ツルツルと 蕎麦頬張りて 避暑の午後
軽井沢、千住博美術館
軽井沢駅から車で約10分、軽井沢町長倉にある千住博美術館に行きました。
美術館は、約2年前に建築され、日本画家千住博のザ・フォールやウオーター・フォール等の作品を一堂に鑑賞することができます。
美術館は、建築家西沢立衛氏の設計によるもので、白を基調とした緑もふんだんに取り入れた、森の中を歩いているような感覚となります。
ザ・フォール・ルームでは、千住博がヴェネチア・ビエンナーレ名誉賞を受賞したザ・フォールを観ることができます。また、滝、ウオーター・フォール、蛍光塗料を使ったナイト・フォール等も観ることができます。
千住博ファンのみならず一般の方々も楽しめ、軽井沢のさわやかさにも最適の美術館と思われます。
はだしのゲンと原爆忌
中沢啓治著の「はだしのゲン」(中央公論新社発行、中公文庫コミック版)を読んでいます。
中沢啓治は、小学1年生の時、広島で原子爆弾の被爆を受け、学校のコンクリートの塀一枚で奇跡的に命は助けられました。
しかし、家族の父、姉、弟は、爆風で自宅が破壊され死亡しました。そして、母も原爆病院に入院して7年後に亡くなっています。
中沢は、自己の強烈な被爆体験をもとにこの「はだしのゲン」を書いています。母の弔い合戦、そして戦争と原爆の愚かさを告発しています。
読んでいて、コミックとはいえ、被爆後の生々しい現状がリアルに描かれ、読んでいて辛くなることもありますが、目をそむけずに読んでいます。
拙句を一句。
原爆忌 鶴折りし手に 祈り込め