2009-01-01から1年間の記事一覧

アートメイクと医師法

TBSテレビのイブニング・ワイドから、アートメイクと医師法についての取材がありました。 アートメイクについては、針(ニードル)の先に色素をつけ、皮膚に針を刺すものであり、医療行為として医師の資格がない人が行うことは、医師法違反とされています…

ブラウン管国際カルテルで外国企業に初の課徴金納付命令

テレビ用ブラウン管の国際カルテルで、公正取引委員会は外国企業に対して、初めて課徴金納付命令を出しました。 課徴金の総額は33億円余。 独占禁止法の域外適用については、属地主義から効果主義への流れを感じますが、本件でも属地主義的要素を事実認定…

がんの見落とし−医療訴訟

私達の事務所では、医療をめぐる紛争、つまり医事紛争や医療訴訟について、患者やその家族からのご相談や依頼を受ける場合や、医師側からの依頼を受けることがあります。 患者側からのご相談では、出産事故や院内感染、がんの見落とし、インプラントに関する…

クアルコムに対して公取委が排除措置命令

公正取引委員会は、9月30日、アメリカの通信技術大手クアルコム・インコーポレイテッドに対して、同社と日本の携帯電話メーカーとの間のライセンス契約について、メーカー側からクアルコムに対して特許権侵害訴訟を提起できないとのNAP(特許非係争)条項…

久しぶりの慶応三田キャンパス

先日、慶応ロースクールの経済法総合の講義をするために、久し振りに三田キャンパスに行きました。 正門を入ってすぐの南校舎が建替工事中で、ロースクールのある南館には正門を左にぐるりと回って行くことになります。 平素、私達弁護士が執務している示談…

「改正独占禁止法への実務対応」−講演へ

改正独禁法の概要とこれに対する実務の対応について講演することが決まりました。 独禁法は、課徴金の適用範囲の拡大やリーニエンシーの適用範囲の変更、企業結合規制の見直し等を内容として、本年6月に大幅改正がなされ、来年1月には施行の予定となっている…

年に一度の銀座くらま会に感動

恒例の銀座くらま会が、今年も新橋演舞場で開催されました。 最近はほぼ毎年鑑賞に行っていますが、今年は例年にも増して素晴らしい会でした。 普段、日本の伝統芸術に触れる機会が少ないだけに、くらま会は貴重な鑑賞の場です。小唄、常磐津、長唄、清元、…

「Q&A遺産分割の実務」−事業承継問題について改訂増補へ

皆様からご好評をいただき改訂を繰り返してきた「Q&A遺産分割の実務」(清文社刊)ですが、中小企業事業承継円滑化法に関する新たな記載を中心とした改訂増補作業を休日返上で進めております。 我が国における中小企業の発展・活躍には目覚ましいものがあ…

当事務所の新型インフルエンザ対策

当事務所では、新型インフルエンザ対策として、次のとおり実行しています。今後ともご協力の程よろしくお願い申し上げます。1.所属の弁護士、スタッフ全員に、岡田晴恵氏著「新型インフルエンザ完全予防ハンドブック」を配付しました。 2.プラズマ・クラ…

イチロー、9年連続の200安打

シアトル・マリナーズのイチロー選手が、MLB上9年連続で200本安打を記録し、ウィリー・キーラを抜き、大リーグ史上初の偉業を達成しました。108年ぶりの記録達成ということでも驚かされます。 2007年夏、私はカナダ競争法におけるConspiracy(共…

司法試験の報告メール

先日、新司法試験の合格発表がありました。 そのため、最近は、慶応のロースクールで独占禁止法を教えていたロースクール生や慶応からエクスターンシップで私の事務所で法曹実務を研修した方々から、合否の結果の報告のメールが何通か届いています。 合格の…

「独占禁止法ガイドQ&A」改訂版の執筆

かねて東京弁護士会独占禁止法部において各部員の共同にて執筆されていました「独占禁止法ガイドQ&A」(商事法務研究会より出版)を改訂するとの企画が3年位前よりあり、私も同部員として2年半位前に独禁法に基づく差止請求に関するQ&Aを5問執筆していまし…

新司法試験の合格者2043人、合格率27%

新司法試験実施4回目の今年、合格者や合格率は上記のとおりとなりました。 国の制度設計では、法科大学院の卒業生の7割位が合格し、合格者も3000人位という数値からは大きな隔たりがあります。 私が司法試験に合格した当時は、合格者500人、合格率2%位でし…

オラクルのサン・マイクロシステムズの買収に、EUが調査へ。

オラクルのサン・マイクロシステムズの買収については、すでにアメリカの司法省がこれを承認していました。 ところが、EU欧州委員会クルス氏は、この買収につきEU競争法に基づき本格的な調査に入ると発表しました。 アメリカの独禁法当局とEUの独禁法当局に…

食品偽装の摘発が半期で23件

食品偽装、特に食品の産地偽装として警察が摘発した件数が、今年上半期で23件となり、過去最高を記録しました。 産地偽装で目立つのは、やはりうなぎとタケノコのようです。 食品偽装に対する法律の適用については、その内容に応じてJAS法、食品衛生法、景…

アリナミン−職務発明対価の請求

アリナミンの製造特許に関して、元社員がメーカーに対して、その職務発明の対価の不足分として約5,000万円を請求する訴訟を提起した、との報道がありました。 職務発明に関する相当対価の請求は、青色発光ダイオードの発明に関して元社員の中村氏がメーカー…

海堂尊著「外科医須磨久善」を読んで

自宅の近くの大手の書店、いつものように法律書を2、3冊買った折、ふとベスト・セラーと思しきコーナーで、海堂尊著「外科医須磨久善」を購入しました。 Dr.須磨は、心臓外科医で有名な方で、テレビ等でも紹介されていた先生、という位の記憶はありました…

賃貸住宅の更新料は無効か?

この7月に京都地方裁判所で、そして、8月には大阪高等裁判所で、賃貸住宅における更新料契約が消費者契約法に違反して、消費者の利益を一方的に害し無効である、との判決が出されました。 私は、大阪で5年間暮らしていたことがあり、住宅の賃貸借契約、つま…

亜鉛めっき鋼板カルテル事件で、課徴金155億円。

公正取引委員会は、亜鉛めっき鋼板カルテル事件で、日鉄住金鋼板ら3社に対して、過去2番目の多額となる計155億の課徴金納付命令を発令しました。 この事件については、いくつかの特徴があるように思えます。 先ず、第一は、本件カルテル事件もJFE鋼板の…

セブンイレブン

このたび、当事務所が、コンビニ業界最大手であるセブン−イレブンのオーナー10名の代理人となり、セブン−イレブン・ジャパン社に対して提訴しました。 訴えの内容は、オーナーの意向を聞かないまま、税金や公共料金の支払いを一方的にオーナー側へ次々と強…

エクスターンシップ

現在、法科大学院のエクスターンシップ制度のもと、法律事務所で研修をさせていただいております。 エクスターンシップでは、依頼者の方のご了解を得た上、依頼者の方と弁護士の先生方との法律相談・打ち合わせへ同席させていただいたり、実際の訴状、準備書…

EU欧州委員会クルス氏vs.米司法省バーニー氏

世界の独禁政策の当局の稼ぎ頭は、EU欧州委員会のクルス氏ではなかろうか。EU欧州委員会が問題とする独禁法違反事件については、1,000億円を越す制裁金を連発し、その度にクルス氏が担当者として名前が出てきます。 数年前来日されたときも、クルス氏の自信…

Leegin判決の衝撃−再販当然違法から合理の原則へ−

再販売価格維持行為と言えば、メーカーが卸売価格や小売価格を拘束するものとして、ブランド内価格競争を阻害する不公正な取引方法として独占禁止法上は「当然違法」としてとらえられていることが長く常識とされてきました。 ところが、2007年6月、アメリカ…

目から鱗の、遺留分調停

ある弁護士が言ったようです。「遺留分は、その割合も、算定方法も法律で決まっているので、決まった額を支払うしかないんですよ。」 相談者から、これは本当ですか?と問われました。 答えは、NO! 遺留分では価額弁償が争われることが多くあります。そして…

かき氷

暑いっ!というわけで、今日はかき氷についてのお話です。 先日、スーパーに買い物に行った際、6歳の息子がかき氷を作る機械(正確に何というのかわかりません)が売っているコーナーで興味深そうに眺めていたので、買って帰ることにしました。980円でした…

夏休み

黄金の焼菓子

「Q&A遺産分割の実務」−改定増補へ

「Q&A遺産分割の実務」(清文社刊)の改定増補の原稿締切日が、9月10日と迫ってきています。私達弁護士が本の執筆をするときは、普段の事件の執務を優先させるため、どうしても夏期休暇の時期等をあてざるをえません。 8月は、裁判所も部によって休廷…

三光丸事件とケースブック、勘所

かつて私達の法律事務所で取り扱っていた三光丸事件が、かねてより様々な経済法学者から判例評釈等の形で意見が出されています。三光丸事件は、独占禁止法に基づく差止請求を訴訟で争った事件です。 「ケースブック独占禁止法」においては、三光丸事件の作為…

裁判員裁判−スタート

裁判員裁判が、8月3日、東京地方裁判所でスタートしました。 事件は、今年5月に足立区で隣人の整体師の女性をナイフで刺殺した殺人事件。被告人は、事件を自白しており、量刑が主たる論点となりそうです。 選ばれた裁判員は、女性5名、男性1名。初日は…